清のブログ

アウトプットの場所

読書メモ

中国SFもいいぞ!

手のなかにはなにもなかった。一粒の砂もない。 ―陳楸帆『麗江の魚』より 『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』ケン・リュウ編,2019,ハヤカワ文庫 を読んだので、それについてつらつらと。 自由感想 いわゆる「中国SF」は読みやすい。そして、面白い…

繰り返したり、止まったり、巻き戻ったり、進んだり?

自分がひとに深切を施すのは、たいへんの美徳で、そうして内心いささか報恩などを期待しているくせに、ひとの深切には、いやもうひどい警戒で、あいつと対等の附合いになってはかなわぬなどとかんがえているんだから、げっそりしますよ。 ―太宰治『浦島さん…

『機巧のイヴ』で、もう一つの「時代」を見る

―瑪瑙のような暗緑色の輝きを持つ瞳が、真っ直ぐ久蔵を見つめる。 『機巧のイヴ』乾緑郎,2017,新潮文庫 を読んだので、それについてつらつらと。 自由感想 SF×○○の第二弾ということで、今回はSF×時代小説として乾緑郎著『機巧のイヴ』である。有名どころで…

あ(だちとしまむ)ら^~

「私の頭を、撫でてみてくれない?」 そう言って、垂れた頭をしまむらの方に向けた。 『安達としまむら』入間人間,2013,電撃文庫 『安達としまむら2』入間人間,2013,電撃文庫 『安達としまむら3』入間人間,2014,電撃文庫 上記3巻について読んだので、…

SFが紡ぐ愛の多様体

きみのあくびが、はやく見たい。 ―中井紀夫『死んだ恋人からの手紙』より 『日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙』伴名練編,2020,ハヤカワ文庫 を読んだので、それについてつらつらと。 自由感想 本作は『なめらかな~』でお馴染みの伴名練氏が編…

SF×百合の小説は「あら^~」で収まらない

『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』SFマガジン編集部,2019,ハヤカワ文庫 を読んだので、それについてつらつらと。

SF読むなら『マルドゥック・スクランブル』は外せないよなあ!?

『マルドゥック・スクランブル』の完全版を読んだ。

『情報倫理入門 改訂新版』土屋俊監修,大谷卓志編著,2016,アイ・ケイ コーポレーション

もし倫理が究極的には主観的なものに根差すものであるとしても,理由や根拠は非常に重要である。(p.19) 5段階評価 ★★★ 3(そうでもない...かな) なぜその本を読み始めたか 主に個人情報について,データサイエンティストとしてのコンプライアンス・倫理の観点…

『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』伊藤大輔,2017,日本実業出版社

「パーキンソンの法則」でも「仕事の量は、完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する」といわれています(p.149) 5段階評価 ★★★★4(普通によくできていると感じた) なぜその本を読み始めたか プロジェクトマネジメントについて概要を俯瞰するため …

『アイの物語』山本弘,2006,角川文庫

「すべてのヒトは認知症なのです」(p.353) 5段階評価 ★★★★★ 5 (好き!!) なぜその本を読み始めたか 大森望氏が『21世紀SF1000』で推薦していたから AIを題材にした短編集だったから 「推し」とその理由 アイビス 冷静さと熱いマインド 面白いor参考になる語彙…